■ ストーリー



死んだ―――そう思った直後に目の前が真っ暗になった。


ただそこには黒い世界が広がっていて、なにもなかった。


僕はぼんやりと目の前を見つめる。


すると、月が見えてきた。



  月が語りかけてきた。

  「君にはこれから、また人間を好きになってもらうよ」

  ふざけるな、あんなことがあったんだ…もう人間を好きになんてなれない。

  だけど月は僕のことを無視し、砕け散って青白い光になった。

  黒い世界に光が広がり、意識が遠のいていく。

  今度はどんなことが起こるのだろうか、あまり期待せず意識を手放す。




目を覚ますとそこには大空が広がっていた。

澄んだ空気を吸い込んで僕は立ち上がる。

ふと周りを見渡す…すると、同年代の男女を何人か確認できた。

なんでこんなところに人がいるんだろう?

不思議に思っていると、またあの声が聞こえてきた。


「死んでしまった君たちにはこれから、ここで人間を好きになってもらいます。人間を好きになるまで、自由になれないよ」

「ちなみにコレは、夢なんかじゃありません!正真正銘、現実です!」

















――嗚呼、そうだ。

僕はもう死んだんだった。

そして、死んでもまだ苦しまなくちゃいけないんだ。

死んでも…まだ…





じゃあ、なんで僕はこうしてここに居る?







写真素材:写真素材 足成






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